村田沙耶香「コンビニ人間」の感想。痛快の結末!(ネタバレあり)

芥川賞受賞作品「コンビニ人間」を読了。とてもすがすがしく「常識とは違う」生き方を描ききっていて本当に面白かった。

少しネタばれも含みますが、ブックレビューなどを綴ります。

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コンビニ人間のあらすじ(ネタばれアリ)

コンビニ人間の主人公は36歳独身の女性である。

小さい頃から、「合理的」な考えを追求し他人とは違う価値観を持っていた。

死んだ鳥を見て友達がしくしく泣いているのに一人「焼鳥にしたら美味しいよ!」と母に言ったり。死んだ鳥を友達がお墓に埋め花を摘んでお供えすると、「生きている花が死んでいる鳥のために引きちぎられて殺された」と感じたり。

男の子の喧嘩が始まり、「誰か助けて!」という声が聞こえると「助けなくては!」とスコップで男の子の頭をがつんと叩いたり。

自分が正しいと思うこと、合理性や独自の価値観をストレートに表現していた頃には、頻繁に自分の親が校長室に呼び出されて注意されていた。

なぜ親が先生たちに注意されるのかは理解できないが、親を困らせないために、彼女は思ったことも言動に出さずにおとなしく過ごした。そうして問題も起こさないようになり、静かに学校生活を終えることができた。

そんな彼女がある日、道に迷い込んでオフィス街に入る。ビルに囲まれた静かな通りには、新たにオープンする予定の「コンビニエンスストア」が水槽のように佇んでいた。

その水槽のガラスに「オープンスタッフ募集」の文字が。

彼女は水槽の中に吸い込まれるように、コンビニ店員となったのだ。

そこには、すべてにマニュアルがあった。

どうやって笑えば良いか。

どうやって喋れば良いか。

どうやって答えれば良いか。

今まで誰も教えてくれなかったことが、コンビニでは教えてくれた。

コンビニの袖を通し、マニュアルに沿って行動すれば誰もが店員になれる。

社会の歯車の一部となって働くことができるのだ。

コンビニという水槽の中で、まさに水を得た魚のように泳ぐ術を見いだした主人公はオープン当初から18年間、アルバイトを続ける。

週5日働き、休みの日にもいつもコンビニのために体調を整え、健康管理に気をつけた。

彼女はまさに、24時間コンビニとつながり続けたのだ。

そんなある日、ストーカー行為でクビになった元アルバイトの白羽を自分の部屋で”飼い”はじめる。36歳の独身女性にとって同居人の男がいると「都合が良い」という理由からだ。

白羽が部屋に転がり込んできたことから、コンビニとの自分について改めて見つめることになったのだがーーー。

 

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「コンビニ人間」のココがすごい!

コンビニ人間である主人公の視点で「普通の人々」を眺めれば、彼ら彼女らの生き方が滑稽に思えてくるのが不思議だ。

(もちろん、自分もごく普通の人間なのだが。)

「年頃になり結婚して子供を産んだり、キャリアウーマンになったりする女性」は、周囲の友達の喋り方に影響を受け喋り続ける。

本人は自分の言葉で喋っているつもりだが、実際は他人の言葉をトレースして喋り続けているのだ。

普通って何?

常識って何?

幸福って何?

18年間コンビニのアルバイトを続け、社会の部品になれたと満足する主人公の姿を見ると、そんな疑問を感じずにはいられない。

 

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コンビニ人間の作者、村田沙耶香さんはクレイジー!?

muratasayaka

さて、こんな斬新な作品を生み出した作家の村田沙耶香さんはどんな人なのでしょうか?

彼女の人柄もかなり興味深いので、ご紹介したいと思います。

「コンビニ人間」の作者、村田さんは現在36歳。

子供の頃から作家を夢見て大学も文学部へ進みました。

2003年に群像新人文学賞優秀賞を受賞し作家デビュー。

その後も数々の文学賞を受賞し作家として成功をおさめたと言えますが、

有名になった現在もコンビニでアルバイトを続けているのです!

なんでもコンビニのレジを売っている時にアイデアが浮かんだりするので、

作家活動にコンビニが必要なのだそうです。

執筆はコンビニバイトのある日の早朝と、バイト後の午後に行います。

コンビニバイトのない日は執筆をさぼってしまうとか。

作家仲間からは「クレイジー沙耶香」との愛称で親しまれている。(本人は「クレイジーじゃない」と否定」)

数々のエピソードを持つ村田沙耶香さん、なんだかとっても親近感を感じてしまいます♪

また彼女の清楚なルックスとは裏腹に、過去の作品も個性的です。

彼女の生み出す作品をいろいろと読んでみたくなりました!

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まとめ

「コンビニ人間」と村田沙耶香さん本人がとても魅力的で、ネタばれ含め書きすぎてしまいました。

まだ読んでいない人はぜひ読んでみてください!

コンビニ人間の思考はとっても痛快で、人間が愛おしくなると思います。

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