思春期の子供は難しい。自分の子供なのに、何を考えているのか分からない。
ついこの前まで、「抱っこして~」と言ってきた子供が突然「ママには関係ないし」と反抗的になる。
成長の証でもある思春期ですが、大人たちは突然の子供の変化に戸惑い、距離を置いてしまいがちです。でもこの思春期に、大人たちがどう接するかによって子供たちが将来の困難に遭遇した時にどう対応できるか、どうやって乗り越えられるか、が決まってくるのではないかと思うのです。
どうして思春期の子への親の対応が大事なのか
思春期の子供と親とのコミュニケーションがなぜ大事なのか。
それは、「親と子供の絆」がきちんと結ばれるかどうか、
子供が親に「信頼できる」と思えるかどうかに関わってくるからです。
子供は将来、一人で生きていけるように自立しなければなりません。
成長過程で、大なり小なり何かの困難に遭遇するでしょう。
そういった困難に遭遇した時に、子供が押しつぶれないように導いてあげるのが、親や周囲の大人の役割だと思っています。
そのためには子供から親が信頼され、絆が結ばれている必要があります。
信頼し、絆が結ばれている親だから子供は「SOS」を出すことができるのです。
そしてSOSが出せた時点で、困難の大部分は解決に向かっているとも言えるでしょう。だから、このSOSが子供が出せるかどうかがとても重要なのです。
思春期の子供に接するときの注意点
キーワードは「チャンスはピンチ」「ピンチはチャンス」ということです。
そして親は子供にとっていつも、タイムリーであることも大事です。
子供は突然思春期の反抗を迎えるのではなく、少しずつシグナルを出してきます。
「ねえ、聞いて」
「ねえ、お願い」
「ねえ、ママ私の方見てる?」と。
そうやって子供が親に話しかけてきた時が、「チャンス」であり裏を返せば「ピンチ」となり得るのです。
「チャンス」とは、ここできちんと子供の要求に応えてあげることで、子供の信頼を得ることができるという「チャンス」です。
逆に「ピンチ」とは、ここで子供の要求を「今忙しいから」と大人の都合を優先したり、「それより宿題やったの?」と話を変えたりすることが続くと、子供の信頼を失う「ピンチ」となり得るのです。
忙しいお母さんにはいつもいつも、子供の要求を聞くことは難しいでしょう。
しかし、要求をいつもいつも聞いていないことは問題です。
つまり、普段はできるだけ子供の要求を聞いていて、時々後回しにする程度では、子供も「いつもと違うだけ」ととくに気に留めません。「チャンス」が「ピンチ」に変わることはないでしょう。
一方、子供が親に語りかけてきたのに後回しにし、「チャンス」をいつもスルーし続けてしまえばそれは「ピンチ」となり、子供との信頼関係が築けなくなってしまう可能性が生まれます。
「チャンス」は掴まなければならない、のです。
「チャンス」を逃してしまい、子供が親を信頼できなくなったらどうなるか。
そんな時子供は、自分が困った時にも親に相談できなくなるのです。
本当に助けてほしい時にも、SOSが出せずに一人で抱え込んでしまうことになるのです。
親との健全な信頼関係を築き、いつでも相談できる状況を作っておいてあげることが子供の成長に不可欠である、と言えるのです。
子供が親に語りかけてきた時は「チャンス」であり「ピンチ」である。
このことをいつも心において、思春期に移る時期の子供のとのコミュニケーションを大切にしていきたいです。
「ママはどうせ聞いてくれない」と子供が言い出したら
友人の子供が思春期で、親が話しかけると「どうせ聞いてくれないから言わない」などと答えるそうです。
チャンスとピンチの話をすると友人は「チャンスを逃してしまった!」「親として信頼されていない!!」と手遅れを嘆いていました。が、まだ遅くないことを友人にも伝えました。
どういうことかというと、その子供は「ママはどうせ聞いてくれない」と言いながら、「ママに聞いてほしい」というシグナルを出しているのです。
これは少し考えてみれば分かります。
もし本当に子供が親に聞いてほしくないのならば、子供は話しかけることもしないのです。
子供がシグナルを出しているような状況では、親は急遽対応を迫られます。
子供の心を受け止めるチャンスは「最後のチャンス」と思って、子供への対応に気を配ってほしいです。
もしそのチャンスを逃してしまってはそれは、ピンチに変わってしまいます。
何度も言いますが、思春期の子供とのコミュニケーションにおいて「チャンスはピンチ」であり、「ピンチはチャンス」なのです。
まとめ
長くなりましたが、簡潔にまとめると
「思春期の子供は、親に語りかけることで親にチャンスを与えている」
「親はそのチャンスをがっちり掴んで、親と子の信頼を築かなければならない」
「親子の信頼関係があれば、子供は困難に遭遇しても親にSOSが出せ、親は子供を助けてあげられる」
ということです。
チャンスを掴むのは、毎日の小さな積み重ねです。
日々の生活を大切にしながら、親子のコミュニケーションをしっかりとって思春期を迎えましょう。
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